種まきに関する情報
- 蒔き時
- 夏型は春蒔き、冬型は秋蒔きが基本となる。
夏型は温度さえ保てれば(20〜25℃以上)発芽するものが多いので、夏〜秋蒔きでも発芽する。
但し寒さに弱いものは冬までに十分な生長期間が取れないため冬越しは難しくなる。
ヒーター等で加温して温度を保てば1年中蒔くことができる。
冬型は暑さに弱いものが多いため、夏越しのために生長期間が長く取れる秋に蒔くのが失敗が少ない。
ある程度の低温(15〜20℃以下)でないと発芽(休眠打破)しない特殊なものもある。
- 用土
- 用土は無菌・無肥料のものを使用するのが一般的。
当店では赤玉土単用(+軽石砂・バーミキュライトを混用する場合あり)を主に使用。
播種・挿し木用のロックウールも手軽に扱えて便利。
殺菌のため、熱湯や殺菌剤をかける方法もある。
- 種の植え方
- 一般に微細な種子は覆土せず、大型種子が深めに植えることが多い。
播種前に一昼夜水に漬けておくと発芽率が向上するものがある。
- 潅水
- 発芽まで表面の土を乾かさないようにする。
カビが生えた場合は取り除く、殺菌剤をまくなどの対策。
- 植え替え
- 発芽後数ヶ月経ちある程度大きくなったら植え替え。
植え替えに用いる用土は成株に準じるもので。
- 種類別ワンポイントアドバイス
- 「多肉植物」は学術的分類とかけ離れた極めて雑多な植物群であり、適する実生方法はそれぞれ異なる。
以下は科ごとの大雑把な実生方法の一覧。多肉植物の実生に関しては概して情報が少なく、
以下の情報も経験に拠っている所が大きい。参考までに。
- アナナス科 Dyckia/Puya
- イワタバコ科 Sinningia 微細種子のため底面吸水で管理
- ウェルウィッチア科 Welwitschia 発芽に高温を要する
- ウコギ科 Cussonia
- ウリ科 Corallocarpus/Coccinia/Kedrostis/Ibervillea/Gerrardanthus
- ウルシ科 Pachycormus
- ガガイモ科 Fockea/Petopentia 一昼夜水に漬けて吸水させ、膨らませて播種
- カタバミ科 Oxalis
- キク科 Othonna 多肉植物として鑑賞するものは主に冬型・秋まき
- キョウチクトウ科 Pachypodium/Adenium 一昼夜水に漬けて吸水させ、膨ませて播種
- キワタ科 Adansonia/Bombax 種子の一部を傷付け一昼夜水に漬けて吸水させ、膨ませて播種
- ゴマ科 Uncarina
- サボテン科 各属ミックス種子 覆土しない・底面吸水で管理
- 森林サボテン類 ロックウールへの播種が好成績
- ススキノキ科 Xanthorrhoe 非常に気まぐれ・半年後くらいに発芽することも・自生地では山火事の後に発芽
- スベリヒユ科 Avonia/Talinum/Grahamia
- ディディエレア科 Alluaudia
- トケイソウ科 Adenia
- ヒルガオ科 Ipomoea 種子の一部を傷付け一昼夜水に漬けて吸水させ、膨ませて播種
- フウロソウ科 Pelargonium 秋蒔き・低温で発芽
- フォークエリア科 Fouquieria/Idria 無処理でOK
- ブドウ科 Cyphostemma/Rhoicissus
- ベンケイソウ科 Tylecodon 微細種子のため底面吸水で管理
- マツバギク科 Monilaria/Diplosoma/Dactylopsis etc. 微細種子のため底面吸水で管理・主に秋蒔き
- マメ科 Delonix
- ヤマノイモ科 Dioscorea 無処理でOK。夏型は春蒔き、冬型は秋蒔き
- ヤマモガシ科 Protea スモークペーパーが有効
- ユリ科 Aloe/Haworthia
- リュウゼツラン科 Yucca/Dasylirion/Nolina 無処理でOK
- ワサビノキ科 Moringa
- 食虫植物種子
- モウセンゴケ科 Drosera 水ゴケやロックウールに蒔き腰水管理
- 小型球根植物種子
- ユリ科 春蒔き / 秋蒔き Androcymbium/Drimia